7月12日のXで、障害福祉分野に関わる複数の話題が広がりました。保育士のSNS発信「発達障害というより愛着障害が増えている」が約80万表示で家庭環境と発達の議論を呼び、精神科医が「発達障害にrTMS」を掲げる自由診療クリニックの構造を告発する長文投稿で日本精神神経学会と日本児童青年精神医学会の学会声明を示しました。加えて、ASD(自閉スペクトラム症)当事者の大学生が語る「ブレインフォグ」体験が約55万表示、合理的配慮の進展と「理科教師トラブル」「吹奏楽部のみ時代遅れ」問題を提起する医師の投稿、障害当事者による法制ガイドラインへの意見公募(パブリックコメント)告知など、5トピックを整理してお伝えします。
本日のハイライト
- 「発達障害より愛着障害増えている」保育士SNS発信が約80万表示、2,713件のいいねの反響
- 「発達障害にrTMS」構造告発で精神科医が2020年9月と2024年4月の学会声明を引用
- ASD当事者大学生の「ブレインフォグ」体験共有が約55万表示、5,917件のいいねを集める
「発達障害より愛着障害」保育士SNS発信80万表示
何が起きた?
7月12日夜、保育士の紅子氏(@fum1_maru)が「どの保育士もここ5〜6年って言うから確かなんだと思う」「発達障害というより愛着障害が増えているんだと思う」との発信をXに投稿しました。こどもの問題行動の背景として親と家庭環境を挙げ、保育現場の観察を踏まえた見立てを示した内容が広く共有されました。この投稿は約80万回表示され、2,713件のいいねと252件のリポストを集め、発達か愛着かの判別、育児環境の変化への言及を含む議論を呼びました。
注目の投稿
紅子(@fum1_maru)|保育士
この投稿は約 80 万回表示され、252 件のリポストを集めました。
Xでの反応
反対・懸念の声
– ㍿らいむちゃん(@ikankitu_4k):「ここ5.6年なのは確かに自分も思ってるけどそれが発達なのか愛着なのかはハッキリとはわからない」と慎重論(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
– 紅子(@fum1_maru):原因はスマホというより親の向き合い方かなとの投稿者本人の補足(📎 投稿を見る)
– Omobusayo(@omo_busayomi):新型コロナのマスク着用期間で親の表情が見えなかったことも一因ではとの英語での補足(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 紅子氏の元投稿:https://x.com/fum1_maru/status/2076258353131716908
- 厚生労働省「発達障害情報・支援センター」:http://www.rehab.go.jp/ddis/
- 一次情報は未確認です(保育所現場での「愛着障害増加傾向」は個別保育者の観察ベースの見解であり、統計的な裏付けは公表資料での確認が必要)
ポイント
発達障害と愛着障害は概念が異なるとされており、判別と支援の方針は個別の相談で慎重に検討する必要があるとの指摘があります。
「発達障害にrTMS」精神科医が学会声明を引用し告発
何が起きた?
7月12日昼、精神科医で産業医としても活動する堤 多可弘氏(@djbboytt)が、「発達障害にrTMS」を掲げる自由診療クリニックの成り立ちを構造的に整理した長文投稿を行いました。日本精神神経学会が2020年9月に「rTMS適正使用について【注意喚起】」を出し、自閉症・ADHD・アスペルガー障害等への効果は「海外でも確認されていない」と明記した点、日本児童青年精神医学会が2024年4月に「子どもに対するrTMS療法に関する声明」を出し、18歳未満へのrTMSは指針上不適切とした点を引用。TMS機材は1台700万〜数千万円ともされ、複数回実施前提のローン提供や医師募集の背景に設備投資回収の構造があるとの見立てを示しました。前日の7月11日にも別の精神科医(メンタルドクターSidow氏)が同種の告発を行っており、業界の話題が続いています。
注目の投稿
堤 多可弘(@djbboytt)|精神科医
この投稿は約 3.9 万回表示され、138 件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– 不肖(@yoshi_fusyou):磁気を当てるだけでは脳機能が治らないばかりか不適応リスクだけとの医学・心理・社会モデルからの指摘(📎 投稿を見る)
– 新宿代々木こころのラボクリニック(@kokolabo2020):「発達障害や『受験勉強』に対してTMSは有効ではありません」との医療機関からの明言(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
– Kouichi Takada(@kayoicho_takada):中心治療として扁桃体に影響を与えるのかとの疑問(📎 投稿を見る)
– 村山佳博(@mhsw202204):「脳波で発達障害とか診断するところ」との印象を精神保健福祉士が補足(📎 投稿を見る)
– ホモルーデンス(@homoludens496):2018年に大手自由診療クリニックで鬱病治療としてTMSを受けたとの体験談(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 堤氏の元投稿:https://x.com/djbboytt/status/2076153502527852931
- 日本精神神経学会「rTMS適正使用について【注意喚起】」(2020年9月19日):https://www.jspn.or.jp/
- 日本児童青年精神医学会「子どもに対するrTMS療法に関する声明」(2024年4月2日):https://www.jscap.jp/
ポイント
発達障害へのrTMS治療は主要学会が推奨しない立場を示しており、自由診療での高額請求には情報収集と第三者への相談が必要との指摘があります。
ASD大学生の「ブレインフォグ」体験が55万表示
何が起きた?
7月12日夜、ASD(自閉スペクトラム症)当事者の大学生Lチキレッド氏(@asd_chicken1)が、発達障害当事者に多いとされる「ブレインフォグ(脳の霧)」の実体験をXに共有しました。日中フワフワした感じで考えがまとまらない、集中力が続かない、上の空でミスが立て続けに起こる、話が頭に入ってこない、といった状態が特徴として挙げられ、勉強や生活への影響を実感を持って語る内容が広く共感を集めました。この投稿は約55万回表示され、5,917件のいいねと307件のリポストを集めました。
注目の投稿
Lチキレッド 発達障害大学生(@asd_chicken1)|ASD当事者
この投稿は約 55 万回表示され、307 件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– Its Jony(@Jony3016):「自分や周りの特性を知ることって、対策を考える第一歩になる」との共感(📎 投稿を見る)
– かぴ(@sigite_):「このゾーンに入ったらいつのまにかログアウトして寝ちゃう」との体験共有(📎 投稿を見る)
– トリノ(@Torinooo10):親が旅行で一人留守番の状態になると覚醒するとの実感(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- Lチキレッド氏の元投稿:https://x.com/asd_chicken1/status/2076252588417413345
- 厚生労働省「発達障害情報・支援センター」:http://www.rehab.go.jp/ddis/
- 発達障害者支援法・関連通知(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部)
ポイント
「ブレインフォグ」は発達障害当事者に多いとされる状態で、生活支援と自己理解の両面からの情報発信が続いています。
合理的配慮の進展、「吹奏楽部のみ時代遅れ」14万表示
何が起きた?
7月12日午後、「子どもの発達障害がよくわかる本」の著者である「てんねんDr.」氏(@adhdsavetheplan)が、地域の学校における合理的配慮の進展状況をXに投稿しました。体育や運動会・運動系部活のトラブルはかなり減ってきた一方、「理科教師トラブル」と「吹奏楽部のみ時代遅れ」問題は依然として聞くとの現場感を共有。約14万回の表示、978件のいいねを集め、教科・部活単位で残る配慮の格差が話題になりました。
注目の投稿
てんねんDr.(@adhdsavetheplan)|医師
この投稿は約 14 万回表示され、121 件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– corne(@corne202110):「ゆる吹奏楽部だったけど吹奏楽部のみ時代遅れ、なんかすごくありそう」との経験からの共感(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
– りねん(@linen_mi):吹奏楽部の集団特性に触れた補足(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- てんねんDr.氏の元投稿:https://x.com/adhdsavetheplan/status/2076169843771072770
- 文部科学省「学校における合理的配慮」関連通知:https://www.mext.go.jp/
- 内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」関連情報:https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html
ポイント
学校における合理的配慮は分野・教科別に進捗差があり、体育系での前進の一方で理科・吹奏楽部等での残存トラブルへの目配りが必要との指摘があります。
障害者法制ガイドライン、当事者がパブコメ告知
何が起きた?
7月12日午後、障害当事者で情報発信を続ける川田祐一氏(@kawada_yuichi)がXに投稿し、「法律を実際に運用していく規則やガイドラインは、これから作られます」と述べたうえで、当事者・医療・福祉現場の声を届ける意見公募(パブリックコメント)が今後行われる見込みを告知しました。同氏は開始次第Xで再度告知するとし、「一緒に出しましょう」と共同でのパブコメ投稿を呼びかけました。この投稿は 4,506 回表示され、141件のいいね、56件のリポストを集めました。
注目の投稿
川田祐一(@kawada_yuichi)|障害当事者
この投稿は 4,506 回表示され、56 件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– うわぁ(@mnmchan8):「あきらめたくないです」との短い応答(📎 投稿を見る)
– シェスカ(@onZeTvmTbS6kIwA):別分野の署名活動を紹介し協働姿勢を示した投稿(📎 投稿を見る)
反対・懸念の声
– Fucking AI 教(@ouroboros_hant):「今までクリエイターやそのファンが送り続けたパブコメは無視されてきました」との懸念(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 川田氏の元投稿:https://x.com/kawada_yuichi/status/2076208788139581825
- e-Gov「意見公募手続(パブリックコメント)」ポータル:https://public-comment.e-gov.go.jp/
- 障害者差別解消法・障害者総合支援法関連の政省令改正動向は厚生労働省障害保健福祉部の公表資料参照
ポイント
制度改正の運用ガイドラインは意見公募を経て確定するとされ、当事者・現場の声を反映する機会として告知への注視が呼びかけられています。
今日のまとめ
- 保育士による「発達障害より愛着障害増えている」投稿が約80万表示、家庭環境への言及も含めて議論
- 精神科医が「発達障害にrTMS」自由診療の構造を告発、2020年9月・2024年4月の学会声明を引用
- ASD当事者大学生の「ブレインフォグ」体験共有が約55万表示、当事者理解を促進
- 学校の合理的配慮は分野別に進捗差があり、「理科教師」「吹奏楽部」問題が新たな焦点に
- 障害者法制ガイドラインの意見公募告知、当事者・現場の声反映が呼びかけられる
障害福祉分野では、保育・教育現場の観察と当事者の実体験、そして制度運用の設計が並行して動いています。詳細は厚生労働省障害保健福祉部・こども家庭庁の公式発表や、各自治体の障害福祉担当窓口・基幹相談支援センターへのお問い合わせをおすすめします。
関連する質問(よくある疑問)
Q1. 発達障害へのrTMS治療は学会でどう位置付けられていますか?
A1. 日本精神神経学会は2020年9月の注意喚起で自閉症・ADHD等へのrTMSの効果は海外でも確認されていないと明記したとの指摘があり、日本児童青年精神医学会は2024年4月の声明で18歳未満へのrTMSは指針上不適切と結論したとされています。うつ病等以外への自由診療rTMSには慎重な情報収集が必要と考えられています。
Q2. 障害福祉制度のパブリックコメント(意見公募)はどう参加できますか?
A2. 意見公募手続はe-Gov(意見公募手続ポータル)で告知・受付されるとされ、政省令・ガイドライン改正等について広く意見を求める手続きと位置付けられているとの指摘があります。個人・団体を問わず提出可能で、募集期間・様式は個別告示で確認する必要があるとされています。
Q3. 発達障害・愛着障害に関する相談窓口はどこですか?
A3. 発達障害の相談は各都道府県・指定都市の発達障害者支援センターや、児童であれば児童相談所・子育て世代包括支援センターが窓口とされています。愛着形成に関する育児相談は保健センターや児童家庭支援センターでも対応されているとの指摘があります。詳細は各自治体の障害福祉担当窓口/基幹相談支援センターへご相談ください。

