8月12日朝から夜にかけてのX(旧Twitter)では、在宅医療の担い手をめぐる投稿が注目を集めました。救急医が訪問診療も行い自宅での看取りまで担っている現状を挙げた投稿は8,408回表示され、診療科ごとの役割分担を問うやり取りが続いています。同じ日には、在宅での看取りと死亡確認から記録までの流れ、熊本地震で在宅避難に切り替えた人への支援体制、訪問看護も加わる多職種のモニタリング会議にも関心が集まりました。この日に見えた在宅ケアの論点を、制度・経営の観点から4つのトピックで整理します。
本日のハイライト
- 救急医が訪問診療と自宅での看取りまで担っていると投稿し8,408回表示、診療科ごとの役割分担を問う声が続いた
- 在宅での看取りと死亡確認を伝えた投稿の続報に121件のいいねが集まり、見送りのあとの記録業務にも関心が向いた
- 熊本地震の非常災害対策本部会議で保健47チーム・医療150チーム・福祉15チームの活動が示され、在宅避難者の健康管理が論点に挙がった
救急医が担う在宅の看取り、8,408表示で役割分担に議論
何が起きた?
8月12日朝、救急医を名乗る投稿者が、「救急科は最後までみない」と言われたことがあるとしたうえで、現在は訪問診療も行い自宅での看取りまで担っているとXに投稿しました。そのうえで、救急対応から一般診療、検査、手術、入院管理までを引き受け、そこまで対応する診療科が存在するのかと問いかけています。在宅医療の分野では、24時間の連絡・対応体制や訪問看護との連携が制度上の要件として組み込まれており、看取りまでを担う体制は複数の職種と機関の分担で成り立っています。令和8年度診療報酬改定でも、在宅医療と訪問看護をつなぐ情報連携への評価が新たに設けられました。
注目の投稿
救急医xやっくん(@ERxICU_yakkun)|救急医
この投稿は8,408回表示され、69件のいいねと6件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- オタQQ(@ryoinalf):専門疾患でも手術や精査の適応がない場合、超高齢で問題が多岐にわたる場合、受付を閉めたあとや人手がない場合など、実際に救急で診ている場面を列挙しました(📎 投稿を見る)
- スアゲ(@2blockgodzilla):「救急科の皆様、ここまでやらないといかんらしいです」と、担う範囲の広がりに触れました(📎 投稿を見る)
反対・懸念の声
- まさ(@trailyamaga):「それって救急科じゃなくて総合診療科でいいんじゃないの?」と、担い手の切り分けに疑問を示しました(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- おにくちゃん(@a40ue3):救急搬送された患者のフォローとして訪問診療を行い、最終的に看取りまで担うという理解でよいかと確認しました(📎 投稿を見る)
- 10年彼女(@10years_gf):「普通にあるやろ」と、珍しいことではないとの見方を示しました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(mhlw.go.jp・令和8年3月10日版)では、他の保険医療機関等の関係職種がICTを用いて記録した利用者の診療情報等を活用したうえで訪問看護の計画的な管理を行った場合の評価として、訪問看護医療情報連携加算(1,000円・月1回)が新設されたことが示されています。記録する情報には、次回の訪問予定日や訪問看護計画の変更のほか、利用者の人生の最終段階における医療・ケアや病状の急変時の治療方針についての希望が挙げられ、施設基準では連携機関の数が5以上とされています。
- 同資料では、支援ニーズの高い精神科訪問看護の利用者等を受け入れ、24時間の対応を行い地域の関係機関と連携する体制を評価する機能強化型訪問看護管理療養費4(9,030円・月の初日の訪問の場合)の新設も示されています。機能強化型の要件では、24時間対応体制加算の届出と休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施が共通して求められています。
- 投稿者個人の診療体制に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
在宅の看取りを誰が担うかは個人の熱意よりも、24時間の対応体制と情報連携をどう設計しているかに左右されやすく、令和8年度改定で新設された情報連携の評価はその分担を制度側から後押しする材料になりそうです。
在宅の看取りと死亡確認、続報の投稿に121件のいいね
何が起きた?
8月12日早朝、Xの投稿者が、看取りの段階にあった方が亡くなり、これから死亡確認に向かうこと、そのまま出勤になることを短く投稿しました。約1時間20分後には、見送りを終えてカルテを書いているという続報が投稿され、こちらは121件のいいねを集めています。訪問看護の制度では、ターミナルケアを行った場合に訪問看護ターミナルケア療養費を算定でき、その際は死亡した場所および死亡時刻等を訪問看護記録書に記録することが求められています。在宅の看取りは、訪問と確認、記録、そして通常業務への復帰が一続きになっています。
注目の投稿
バイパー(@HAGENOKINBA)
この投稿は3,176回表示され、77件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- ネコ🐈️(@nelius_co):「お疲れ様です」と短くねぎらいを伝えました(📎 投稿を見る)
- シャガール(@Treg1470315):朝のあいさつとともに労をねぎらいました(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- バイパー(@HAGENOKINBA):投稿者自身の続報として、「無事お見送りが終わりカルテを書いてます」と記録の作業に移ったことを伝えました(📎 投稿を見る)
- daemon と2万名の快賊(@YukiR):お盆の期間も休みがないとしたうえで、自身もweb会議のため出勤すると応じました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 四国厚生支局「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の実施上の留意事項」(kouseikyoku.mhlw.go.jp)では、訪問看護ターミナルケア療養費について、死亡日および死亡日前14日以内の計15日間に訪問看護基本療養費・精神科訪問看護基本療養費・退院支援指導加算のいずれかを合わせて2回以上算定し、かつ連絡担当者の氏名や連絡先電話番号、緊急時の注意事項等の支援体制を利用者と家族へ説明したうえでターミナルケアを行った場合に算定するとされています。算定した場合は、死亡した場所および死亡時刻等を訪問看護記録書に記録することも求められています。
- 同資料では、ターミナルケアの実施にあたり厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえ、利用者と家族等と話し合い、本人の意思決定を基本に他の関係者と連携して対応することとされています。特別地域に居住する利用者について、研修を受けた看護師が主治医による情報通信機器を用いた死亡診断を補助した場合の遠隔死亡診断補助加算も設けられています。
- 厚生労働省医政局医事課長通知「医師法第20条ただし書の適切な運用について」(mhlw.go.jp・平成24年8月31日医政医発0831第1号)では、医師が死亡に立ち会っておらず生前の診察から24時間を経過した場合でも、死亡後に改めて診察を行い、生前に診療していた傷病に関連する死亡と判定できる場合には死亡診断書を交付できるとされています。同通知は、この解釈の誤りにより在宅等での看取りが適切に行われていないケースが生じているとの指摘にも触れています。
- 投稿者の職種や所属に関する記載は投稿になく、本記事では投稿の範囲にとどめています。
ポイント
在宅の看取りは訪問と確認で終わらず、記録と算定要件の充足までが一続きの業務であり、看取り前後の記録の運用をあらかじめ決めておくことが現場の負担軽減につながりそうです。
在宅避難に切り替える人が増加、医療150チームなどが活動
何が起きた?
8月12日夜、内閣広報官のアカウントが、同日開かれた令和8年熊本地震の非常災害対策本部会議での総理発言の全文をXに投稿しました。発言では、片付けなどのために避難所から自宅に戻り「在宅避難」に切り替える人が徐々に増えているとしたうえで、避難所を離れた人への支援も切れ目なく続ける必要があるとして、見守りや生活相談の徹底が指示されています。健康管理や感染症対策の支援を行う保健関係の47チーム、避難所などでの救護活動を行う医療関係の150チーム、要配慮者への福祉的支援や避難所の環境整備を行う福祉関係の15チームが被災地で活動していることも示されました。在宅で療養している人にとって、避難所を経由しない支援の届き方は生活の継続に直結します。
注目の投稿
内閣広報官(色々投稿試し中)(@PressSec_JP)
この投稿は2.2万回表示され、692件のいいねと94件のリポストを集めました。
Xでの反応
反対・懸念の声
- マスダさん@ハチワン格闘倶楽部(@Lv28370289):在宅避難をしている人に支援物資が配布されていない点が最も大きな問題だとして、避難所にいないことを理由に物資を渡せないとされる運用そのものへの疑問を示しました(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- げんげつ(@gengetu05):医療関係のチームについて日本医師会のJMATを挙げ、活動をねぎらいました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 首相官邸「令和8年熊本地震非常災害対策本部会議」(kantei.go.jp・令和8年8月12日)では、第10回会議での総理発言として、片付けなどのため避難所から自宅に戻り在宅避難に切り替える人が徐々に増えていること、避難所を離れた人も含めて見守りや生活相談を改めて徹底すること、在宅避難や車中泊をしている人を含む健康管理について保健関係47チーム・医療関係150チーム・福祉関係15チームが活動していることが示されています。発災から2週間が経過した時点の会議です。
- 同会議では、台風第15号が8月11日夜に関東地方へ上陸し、本州を西に横断して12日午前9時に日本海で熱帯低気圧に変わったこと、8月は大雨などによる災害が多く発生してきたことから地震以外の災害への警戒も怠らないようにとの指示があったことも記載されています。
- 内閣府防災「令和8年熊本地震による被害状況等について」(bousai.go.jp)では、被害状況、災害救助法・被災者生活再建支援法の適用状況、非常災害対策本部会議の資料などが公開されています。
- 引用リポストで述べられた在宅避難者への物資配布の個別事例に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
生活の場が避難所から自宅へ戻るほど支援は個々の住まいに分散するため、平時から在宅の療養者を把握している訪問看護や地域の相談窓口が担う役割は相対的に大きくなりそうです。
訪問看護も加わる7人のモニタリング、多職種で情報を共有
何が起きた?
8月12日夜、Xの投稿者が、同日午後にモニタリングの会議へ出席したことを投稿しました。会議には相談員2人、グループホームの管理者、就労継続支援A型のサービス管理責任者、訪問看護の担当者を含む7人が参加したとされ、大人数の場で発言することへの苦手意識も率直につづられています。障害福祉サービスの利用計画をめぐるモニタリングは、計画の作成後に一定期間ごとに利用状況を確認する仕組みとして位置づけられており、医療と福祉の担い手が同じ場で情報を共有する機会にもなっています。
注目の投稿
ありみょん🐼(@myon_0u0)
この投稿は361回表示され、52件のいいねを集めました。公開時点でリプライ・引用は確認できていません。
出典・一次情報
- 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害者の相談支援等について」(mhlw.go.jp・社会保障審議会障害者部会 第119回資料)では、支給決定時のサービス等利用計画の作成と、支給決定後の計画の見直し(モニタリング)に対して計画相談支援給付費が支給される仕組みが示されています。モニタリングの実施標準期間は対象者の状況に応じて1か月ごと・3か月ごと・6か月ごとに分かれ、支給決定プロセスにはサービス担当者会議も位置づけられています。
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(mhlw.go.jp・令和8年3月10日版)では、新設された訪問看護医療情報連携加算の施設基準として連携機関の数が5以上であることが挙げられ、多機関・多職種での情報共有が評価の対象に位置づけられています。
- 会議の個別の内容に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
訪問看護が計画のモニタリングに加わることは単なる同席ではなく、医療側で把握した情報を福祉サービスの計画へ反映させる経路であり、令和8年度改定で新設された情報連携の評価とも地続きの動きです。
今日のまとめ
- 救急医の投稿が8,408回表示され、在宅の看取りを誰が担うのかという役割分担の問いが共有されました。
- 在宅の看取りは死亡確認と記録までが一続きであり、訪問看護ターミナルケア療養費でも死亡した場所や時刻の記録が求められています。
- 熊本地震では在宅避難に切り替える人が増え、保健47チーム・医療150チーム・福祉15チームが被災地で活動していると報告されました。
この日の話題は、看取りを誰がどこまで担うのか、支援が住まいにどう届くのか、情報が職種をまたいでどこまで共有されるのかという、いずれも分担の設計に関わる論点に集まっています。自ステーションの24時間対応の体制、看取り前後の記録の手順、災害時に連絡を取るべき利用者の把握状況を、チーム内で確認する材料にしてみてはいかがでしょうか。
関連する質問(よくある疑問)
Q1. 訪問看護ターミナルケア療養費は、どのような場合に算定できるとされていますか?
A1. 死亡日および死亡日前14日以内の計15日間に訪問看護基本療養費等を合わせて2回以上算定し、連絡担当者や緊急時の注意事項といった支援体制を利用者と家族へ説明したうえでターミナルケアを行った場合に算定できるとされています。算定時には死亡した場所と死亡時刻等を訪問看護記録書へ記録することも求められています。
Q2. 在宅で亡くなった場合、死亡診断書は誰が交付することになるのですか?
A2. 厚生労働省の通知では、医師が死亡に立ち会っておらず生前の診察から24時間を超えていても、死亡後に改めて診察して生前に診療していた傷病に関連する死亡と判定できれば、死亡診断書を交付できるとされています。判定できない場合は検案となり、異状があると認めたときは警察署への届出が必要とされています。
Q3. 災害時に在宅で避難している人への支援は、どこが担うとされていますか?
A3. 市町村には災害対策基本法に基づき避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられ、個別避難計画の作成が努力義務とされています。令和8年8月12日の非常災害対策本部会議では、在宅避難の人も含めた見守りや生活相談の徹底が指示されたとされています。詳細は厚生労働省公式サイトおよび各都道府県の担当窓口をご確認ください。
※本記事は制度・経営の観点からの情報提供です。医療判断や具体的な治療・ケア方針については、必ず主治医・担当看護師にご相談ください。

