8月13日朝から夜にかけてのX(旧Twitter)では、お盆の期間も続く在宅医療と訪問看護の体制に関心が集まりました。お盆休みでも往診に来る医師や看護師、薬を届ける薬剤師への感謝をつづった在宅療養中の家族の投稿には125件のいいねが寄せられ、外科医から訪問診療医へ転じたことを明かした医師の投稿は1.1万回表示されています。同じ時間帯には、複数の医療機関を受診している在宅患者の居宅療養管理指導をめぐる算定の整理や、ACP(人生の最終段階における医療・ケアについて本人・家族と話し合う取り組み)のカンファレンスを含む会議が並んだステーションの一日も共有されました。この日に見えた在宅ケアの論点を、制度・経営の観点から4つのトピックで整理します。
本日のハイライト
- お盆の期間も往診と服薬の支援が続いていることへの感謝をつづった在宅療養中の家族の投稿に125件のいいねが集まった
- 外科医から訪問診療医へ転じたことを明かした投稿が1.1万回表示され、病院と在宅の連携や専門医の維持が話題になった
- 複数の医療機関を受診している在宅患者の居宅療養管理指導について、算定の考え方を整理した投稿に59件のいいねが集まった
在宅患者の居宅療養管理指導、複数医療機関の受診と算定の整理
何が起きた?
8月13日夕方、在宅緩和医療について発信している薬剤師が、寄せられた質問に答える形で、複数の医療機関を受診している在宅患者の居宅療養管理指導費(通院が困難な在宅の利用者に対し、薬剤師等が居宅を訪問して療養上の管理・指導を行った場合の介護報酬)の算定の考え方をXに投稿しました。投稿では、新しい処方せんが発行されていない日に訪問した場合や、別の医療機関から処方を受けた日に訪問した場合について、どの医療機関に紐づけて算定するかという整理が具体例で示されています。あわせて、入力方法はレセプトコンピュータによって異なる可能性があるとの前置きも添えられました。在宅の薬学的管理は医師の指示を起点に組み立てられるため、外来の受診と訪問指導の関係をどう整理するかは、事務・請求の実務に直結する論点です。
注目の投稿
タイガー薬剤師(@PharmacistTiger)|薬剤師
この投稿は3,108回表示され、59件のいいねと6件のリポストを集めました。公開時点でリプライ・引用は確認できていません。
出典・一次情報
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第189回資料4「居宅療養管理指導の報酬・基準について」(mhlw.go.jp・令和2年10月22日)では、薬剤師の居宅療養管理指導費について、在宅の利用者であって通院が困難なものに対して、医師又は歯科医師の指示(薬局の薬剤師にあっては、その指示に基づき当該薬剤師が策定した薬学的管理指導計画)に基づき利用者を訪問して薬学的な管理指導を行い、介護支援専門員に対する居宅サービス計画の策定等に必要な情報提供を行った場合に算定するとされています。算定の起点は医師等の指示と位置づけられています。
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造(介護サービス)」(mhlw.go.jp・令和8年6月改定箇所を反映した現行版)では、薬局の薬剤師が行う居宅療養管理指導費は月4回を限度とし、単一建物居住者が1人の場合は518単位、2人以上9人以下の場合は379単位、それ以外の場合は342単位とされています。この3区分については、がん末期の患者、中心静脈栄養患者および心不全や呼吸不全で麻薬注射剤を使用する患者は週2回かつ月8回まで算定できるとされ、情報通信機器を用いて行う場合は月4回を限度に46単位とされています。
- 上記の第189回資料4に引用された「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和2年3月5日付保医発0305第1号)では、医療保険側の在宅患者訪問薬剤管理指導料についても、医師の指示に基づき薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して薬学的管理指導を行い、指示を行った医師に対して訪問結果を文書で情報提供した場合に算定するとされています。
- レセプトコンピュータへの具体的な入力手順に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。個別の算定可否は地方厚生(支)局や保険者への確認が必要とされています。
ポイント
在宅の薬学的管理は処方せんの発行ではなく医師等の指示を起点に組み立てられており、外来受診と訪問指導が同じ月に交錯する利用者ほど、指示と訪問の対応関係を記録側で明確にしておくことが請求の安定につながりそうです。
外科医から訪問診療医へ、1.1万表示で連携と人材確保に議論
何が起きた?
8月13日朝、外科医から訪問診療医へ転じたという医師が、患者がどうすれば幸せに、自宅で充実した生活を送れるかを考える日々について投稿し、1.1万回表示されました。投稿者は続く投稿で、病院側の医師が訪問診療医に対して抱く感情にも理解を示したうえで、病院勤務の医師と訪問診療医が互いに治療経過を共有し、電話や手紙で連絡を取り合うべきだと述べています。さらに、専門医・指導医の資格をどう維持するかを目下の悩みとして挙げました。在宅療養支援診療所には24時間の往診体制や訪問看護体制、連携する医療機関等への情報提供が制度上求められており、病院と在宅を行き来する担い手をどう確保するかは、地域の在宅医療の供給力に直結する論点です。
注目の投稿
BLACK JACK.MD-Ph.D(@_GeneralSurgeon)|医師
この投稿は1.1万回表示され、95件のいいねと2件のリポストを集めました。
Xでの反応
反対・懸念の声
補足・情報の声
- BLACK JACK.MD-Ph.D(@_GeneralSurgeon):投稿者自身の続報として、病院で働く医師が訪問診療医に対して抱く感情も理解できるとしたうえで、手を抜いて病院に送るようなことがないよう必死だと述べました(📎 投稿を見る)
- BLACK JACK.MD-Ph.D(@_GeneralSurgeon):投稿者自身の続報として、病院勤務の医師は治療経過を共有し、訪問診療医も医師同士で連絡を取り手紙も書くべきだとして、「顔は見えなくても、声を聞けるだけでずいぶんと違う」と述べました(📎 投稿を見る)
- BLACK JACK.MD-Ph.D(@_GeneralSurgeon):投稿者自身の続報として、目下の悩みは専門医と指導医の維持をどうするかだと挙げました(📎 投稿を見る)
- BLACK JACK.MD-Ph.D(@_GeneralSurgeon):投稿者自身の続報として、仕事は思った以上に忙しいものの、外科での考え方や働き方はこの領域でも十分通用すると述べました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省 中央社会保険医療協議会資料「令和6年度診療報酬改定(質の高い在宅医療・訪問看護の確保)」(mhlw.go.jp)の1ページ目「(参考)在支診・在支病の施設基準」では、令和6年度改定時点で、すべての在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院に対し、24時間連絡を受ける体制の確保、24時間の往診体制、24時間の訪問看護体制、緊急時の入院体制、連携する医療機関等への情報提供、年1回の看取り数等の報告、適切な意思決定支援に係る指針の作成などが求められるとされています。
- 同資料では、令和6年度改定時点の機能強化型の在宅療養支援診療所・病院について、在宅医療を担当する常勤の医師が単独型で3人以上、連携型で連携内に3人以上とされ、過去1年間の緊急往診や看取りの実績も要件に位置づけられています。担い手が一定数そろわなければ機能強化型の類型に届かない構造です。
- 同資料では、令和6年度改定で新設された在宅医療情報連携加算(100点)として、他の医療機関等の関係職種がICT(情報通信技術)を用いて記録した患者の診療情報等を活用したうえで計画的な医学管理を行った場合の評価が示され、連携する関係機関の数が5以上であることが施設基準とされています。
- 投稿者個人の経歴や勤務先に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
病院と在宅の役割分担は個々の医師の善意だけでは続かず、情報提供の経路と担い手の人数が制度側の要件として組み込まれているため、転身した医師の資格維持をどう支えるかも地域の在宅医療の供給力に関わる論点になりそうです。
お盆も途切れない往診と服薬支援、家族の投稿に125件の共感
何が起きた?
8月13日午後、在宅で療養を続けている投稿者が、お盆の期間でも往診に来る医師と看護師、薬を届ける薬剤師への感謝をXに投稿し、125件のいいねが集まりました。投稿では、家族と自宅で過ごすことが叶わなかった時期を振り返りながら、今は自宅で暮らせていることへの実感がつづられています。訪問看護では、24時間対応体制加算の届出と休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施が、機能強化型訪問看護管理療養費に共通する要件とされており、在宅療養支援診療所にも24時間の往診体制が求められています。一方で、診療報酬・調剤報酬上の「休日」は日曜日と国民の祝日等に限られており、お盆の平日はその区分に入りません。連休の谷間に医師・看護師・薬剤師が動く体制は、加算の裏づけがない時間帯でも回るように各事業所が組んでいることになります。
注目の投稿
それゆけかーちゃん(@solailK2)|在宅療養中の利用者・家族
この投稿は857回表示され、125件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- つぶやき?ぼやき?たまにはかがやきたい(@hideki_0417):感謝の気持ちを持つことの大切さに触れました(📎 投稿を見る)
- エヴァ(@SDSFXpwEpX15300):自身も同じように感じていた時期があったとして、今を大切に過ごそうと呼びかけました(📎 投稿を見る)
- 銀月(@mukannohokori):家族から生きていてくれるだけでうれしいと言われた経験を挙げ、毎日を大切に過ごしたいと述べました(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- それゆけかーちゃん(@solailK2):投稿者自身の返信として、外出できる体力までは戻っていないものの、一緒に出かけたいと思えるところまでは回復したと伝えました(📎 投稿を見る)
- それゆけかーちゃん(@solailK2):投稿者自身の返信として、以前は自宅に戻ることができず、家族の行事をビデオ通話越しにしか見られない時期があったと振り返りました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(mhlw.go.jp・令和8年3月10日版)では、機能強化型訪問看護管理療養費1から4までに共通する要件として、24時間対応体制加算の届出と、休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施が挙げられています。
- 厚生労働省 中央社会保険医療協議会資料「令和6年度診療報酬改定(質の高い在宅医療・訪問看護の確保)」(mhlw.go.jp)では、令和6年度改定時点で在宅療養支援診療所等に24時間の往診体制と24時間の訪問看護体制が求められるとされています。同資料では、令和6年度改定で新設された在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の休日訪問加算(600点)の対象となる休日について、日曜日および国民の祝日に関する法律第3条に規定する休日とされ、1月2日・3日と12月29日から31日も休日として取り扱うとされています。8月13日は日曜日でも国民の祝日でもないため、この休日には当たりません。
- 同資料では、末期の悪性腫瘍の患者等に対して開局時間以外の夜間・休日・深夜に緊急訪問した場合の加算として、令和6年度改定で夜間訪問加算400点、休日訪問加算600点、深夜訪問加算1,000点が設けられたことが示されています。
- 個別の訪問診療・往診の実施状況に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
お盆の平日は診療報酬・調剤報酬上の休日に当たらないため、この時期に往診と服薬支援が届く体制は加算の裏づけではなく各事業所のシフト設計で支えられており、連休をまたぐ訪問計画の共有が在宅ケア連携の実務課題になりそうです。
訪問看護ステーションの一日、ACPカンファ含む会議関連5件
何が起きた?
8月13日朝、大田区の訪問看護ステーションのアカウントから、その日の予定として入職オリエンテーション、管理者会議、SNS会議、ACPカンファレンス、担当者会議の5件が並んでいることがXに投稿されました。訪問の合間に運営・人材育成・意思決定支援・多職種連携に関わる予定が同じ日に重なる様子がうかがえます。ACPは、人生の最終段階の医療・ケアについて本人と家族等、医療・ケアチームが繰り返し話し合う取り組みを指し、厚生労働省のガイドラインでは多専門職種で構成される医療・ケアチームでの話し合いと、その内容を文書にまとめることが求められています。令和8年度診療報酬改定では、こうした希望の記録と共有を評価する加算も訪問看護に新設されました。
注目の投稿
しー(@tsukushi_houkan)|大田区の訪問看護ステーション
この投稿は1,100回表示され、60件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- ひわ(@Hiwa_Chan):予定の多さに驚きつつ、気をつけて過ごすよう声をかけました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(mhlw.go.jp・平成30年3月改訂)では、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本として進めることが最も重要な原則とされています。話し合った内容はその都度文書にまとめるものとされ、本人の意思は変化しうるため話し合いを繰り返すことも重要とされています。
- 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(mhlw.go.jp)では、訪問看護医療情報連携加算(1,000円・月1回)が新設され、記録する情報として利用者の人生の最終段階における医療・ケアおよび病状の急変時の治療方針についての希望が挙げられています。施設基準では連携機関の数が5以上とされています。
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第189回資料4(mhlw.go.jp)に引用された老企第36号では、居宅療養管理指導におけるケアプランの策定等に必要な情報提供は、サービス担当者会議への参加により行うことを基本とするとされています。担当者会議は、医療側の情報が介護側の計画に届く経路として位置づけられています。
- 個別の会議の内容に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
訪問看護ステーションの一日には訪問だけでなく採用・運営・意思決定支援・多職種連携の予定が積み重なっており、ACPで話し合った内容を文書化し共有する経路を持てているかどうかが、令和8年度改定で新設された情報連携の評価にもつながります。
今日のまとめ
- お盆の期間も往診と服薬の支援が続いていることへの感謝をつづった投稿に125件のいいねが集まり、連休の谷間の在宅医療体制に関心が向きました。
- 外科医から訪問診療医へ転じた医師の投稿は1.1万回表示され、病院と在宅の情報共有や専門医・指導医の維持といった人材の論点まで話題が広がりました。
- 複数の医療機関を受診している在宅患者の居宅療養管理指導について算定の整理が共有され、指示と訪問の対応関係を記録で押さえる重要性が浮かびました。
この時間帯に見えた話題は、担い手をどう確保するか、休みの期間にどう体制をつなぐか、話し合った内容をどこまで共有するかという、いずれも在宅ケアを支える設計に関わる論点に集まっています。連休をまたぐ訪問計画の共有方法、指示と訪問の対応関係の記録の運用、ACPで話し合った内容の共有経路を、ステーション内で確認する材料にしてみてはいかがでしょうか。
関連する質問(よくある疑問)
Q1. 薬剤師による居宅療養管理指導は、どのような場合に算定できるとされていますか?
A1. 在宅の利用者であって通院が困難なものに対し、医師又は歯科医師の指示(薬局の薬剤師はその指示に基づき策定した薬学的管理指導計画)に基づき訪問して薬学的な管理指導を行い、ケアマネジャーへ必要な情報提供を行った場合に算定するとされています。薬局の薬剤師は月4回が限度とされています。
Q2. お盆の期間も訪問看護や往診を受けられる体制は、制度上どう位置づけられていますか?
A2. 機能強化型訪問看護管理療養費では、24時間対応体制加算の届出と、休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施が共通の要件とされています。在宅療養支援診療所にも24時間の往診体制と訪問看護体制が求められているとされています。
Q3. 訪問看護がACPの話し合いや担当者会議に加わることは、制度上どう位置づけられていますか?
A3. 厚生労働省のガイドラインでは、多専門職種で構成される医療・ケアチームと本人が十分に話し合い、本人の意思決定を基本とすることが原則とされ、話し合った内容はその都度文書にまとめるとされています。詳細は厚生労働省公式サイトおよび各都道府県の担当窓口をご確認ください。
※本記事は制度・経営の観点からの情報提供です。医療判断や具体的な治療・ケア方針については、必ず主治医・担当看護師にご相談ください。

