6月22日のXでは、訪問看護・在宅医療の「看取り」をめぐる発信が複数並び、終末期ケアの考え方や家族の決断に共感の声が集まりました。なかでも、フランスで実践されるユマニチュード(認知症高齢者へのケア技法)を「引き算の医療・介護」の文脈で語る投稿が256いいねを集め、施設での看取り説明をていねいに記した福祉職の発信にも126いいねが寄せられています。あわせて、嫁母の在宅訪問看護導入を決めた家族の使命感、訪問看護師が出会う独居高齢者宅のリアル、子供の看取りを語る医師の言葉など、在宅・施設の終末期ケアを支える現場の視点が一日の話題を形づくりました。本記事では、5件の投稿を「制度・経営・連携」の観点から整理します。
本日のハイライト
- フランス由来のユマニチュード論を「引き算の医療・介護」とセットで語る投稿が256いいね・1.2万表示
- 施設看取りの同意プロセスを描いた福祉職の発信に126いいね、家族の選択を支える視点に共感
- 嫁母の在宅訪問看護導入を決めた家族の投稿に209いいね、在宅介護の使命感が拡散
トピック1:フランス「引き算の医療・介護」の看取り論が256いいねで議論を呼ぶ
何が起きた?
6月22日朝、8歳11歳の母を名乗るユーザーが、フランス等で実践されるユマニチュード(フランス発祥の認知症ケア技法)について、終末期に苦痛を和らげるための「引き算の医療・介護」とセットで導入されている、と指摘する投稿をXに公開しました。看取りへの移行をせずに手厚いケアだけを取り入れることは「リソースは有限であるという現実を無視した愚行」と批判的にまとめており、終末期ケアの制度設計・リソース配分に踏み込む内容として議論を呼びました。在宅ケア・施設ケアいずれにおいても、人的・財政的資源の制約のなかで「どこまで医療を引き、どこから生活ケアに移行するか」は経営・連携の双方に関わる論点です。
注目の投稿
8歳11歳の母(@6422mts)|家族当事者
この投稿は約1.2万回表示され、約52件のリポストと256件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- Navy Blue(@NavyBlue202506):全てこの通りにやる必要はなく、現場に落とし込んでいく形がよいとの実務的な賛同。ファーストコンタクトに時間を掛けることでせん妄が起きにくくなり、結果的に後のリソース削減につながった経験を共有(📎 投稿を見る)
- アレ(@taichi_luvwave):フランスのユマニチュードは「お迎え」の代わりという見立てに納得しつつ、日本での普及の難しさに言及(📎 投稿を見る)
反対・懸念の声
出典・一次情報
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197721.html
- 日本ユマニチュード学会 https://jhuma.org/(ケア技法の概要・国内導入事例)
ポイント
終末期ケアの「引き算」と「足し算」のバランスは、現場の人的リソースと制度の財源制約のなかで設計されるテーマであり、訪問看護ステーション・施設の経営判断と多職種連携の両面から検討すべき論点とされています。
トピック2:施設看取りの説明を描いた福祉職の発信に126いいね、家族の選択を支える視点に共感
何が起きた?
6月22日夜、福祉職員のぶさん(@nobu_fukushi)が、医師から「病院に行く選択肢」「施設で最期まで過ごす選択肢」を説明された家族が、施設での看取りを希望する場面と、そこから始まる施設職員の説明の役割を綴った投稿を公開しました。施設では病院のような治療はできず、点滴・酸素・吸引には限界があること、夜間に看護師や医師がすぐ来られない時間もあることを率直に伝える一方で、いつもの部屋・いつもの職員・好きな音楽・家族との時間といった「生活の継続」を支える価値を示した内容です。施設看取りの同意プロセスをめぐる現場の言語化として、ケアマネ・在宅医・訪問看護師にとっても連携の参照点となる発信でした。
注目の投稿
のぶ(@nobu_fukushi)|福祉職
この投稿は約5,868回表示され、約9件のリポストと126件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- 宮野 柚里/シャンソン歌手(@miyanoyuri0601):父を施設で看取った経験から「最後まで父の存在を尊重してくださり、スタッフの皆さまには本当に感謝しています」と、選択への納得を表明(📎 投稿を見る)
- ORCAです(@ORCA_desu_):母の月命日にあわせ、病院での看取りを希望せず「あの時さっさと退院させていれば」との後悔を共有(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- GET REAL(@HirokoMorioka1):在宅・施設のいずれでもケアは変わらないとの視点を提示し、選択肢の比較を促す指摘(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省「特定施設入居者生活介護の看取り介護加算」概要 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000852113.pdf
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197721.html
ポイント
施設看取りの同意プロセスは「治療の限界」と「生活の継続」を両立する説明設計が要で、訪問看護・在宅医・ケアマネとの連携で家族の意思決定を支える体制づくりが望まれるとの指摘があります。
トピック3:嫁母の在宅訪問看護導入を決めた家族の投稿に209いいね、在宅介護の使命感が拡散
何が起きた?
6月22日朝、ちぃちゃん😺さん(@efu7ji3b42842)が、嫁の母親に対する本格的な在宅訪問看護の導入を決めたことをXに投稿しました。4年前に嫁の父親を在宅で3年間支え、亡くなる1週間前まで在宅ケアを継続した経験を踏まえての決断であり、「仕事との両立は大変だけど、使命感を持ち、やらねば」と家族側の心境を率直に綴っています。在宅訪問看護の導入は、医療職側の準備だけでなく、家族の覚悟・就労との両立・社会資源の組み合わせが整って初めて成立する側面が大きく、ステーション側にとっても家族のエンパワーメントが連携の出発点となります。
注目の投稿
ちぃちゃん😺さん(@efu7ji3b42842)|家族当事者
この投稿は約765回表示され、約14件のリポストと209件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- こよこよ(@Tentel_Wolf):「みんな順番に経験していくんでしょうね。あたしも将来は同じ経験していくはずです」と、家族介護の普遍性に共感(📎 投稿を見る)
- m8st2yle8(@Fk3tuyDxoG47266):「また行ける様目標に、マイペースにポジティブに頑張って下さい」と、夫婦の旅行写真への応援を寄せた(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」告示 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123979.html
- 厚生労働省「在宅医療の推進について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html
ポイント
在宅訪問看護の導入は家族側の就労継続・使命感と一体で進む意思決定であり、ステーション・ケアマネは家族の負担分担と社会資源の組み合わせを早期に提示することが連携の起点になるとされています。
トピック4:訪問看護師が描く独居高齢者宅のリアルに67いいね・6,255表示、訪看の現場像に反響
何が起きた?
6月22日昼、雪村カム|雪国の訪問看護師さん(@kamu_houkan)が、訪問看護で出会う「独居タバコ居宅」のリアルをユーモアを交えて描写した投稿を公開しました。床は見えているものの強いタバコ臭、寝タバコ由来の壁の焦げ、生ゴミを鉢植えに捨てる住人など、訪問看護師が日常的に直面する居宅環境の一端を具体的に紹介しています。訪問看護師個人の安全管理、ステーション側の労務リスク管理、ケアマネ・包括支援センターとの連携(住環境の改善依頼・家屋火災リスクへの対応)にもつながる話題として、現場の看護師から多数のリアクションが集まりました。
注目の投稿
雪村カム|雪国の訪問看護師(@kamu_houkan)|訪問看護師
この投稿は約6,255回表示され、約12件のリポストと67件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- うみ/新人応援看護師(@umi_kango):「床が見えてたらOKな認識です」と、訪看現場における居宅環境の捉え方を共有(📎 投稿を見る)
- さいこ(@saico_home):「リアル過ぎる。養護老人ホーム勤務時に、個室の部屋が似たような状態になっているのを見たことがある」と、施設側の類似事例を提示(📎 投稿を見る)
- キタシンチィグラフィ(@digyourownholes):「壁がすごい汚い黄色なんだよな」と、ヤニ汚れの居室像に共感(📎 投稿を見る)
反対・懸念の声
- ゆずき|看護師のリアル(@yuzuki_nst):「こういうのを見ると、改めて私には訪看は無理だと思う」と、訪問看護のハードルへの率直な懸念(📎 投稿を見る)
- ヘリパイロットのひとりごと(@blur_the_line):「どんな人がいるかもわからない相手の家に訪問するのは結構恐ろしい」と、訪問業務の安全管理面の懸念を提示(📎 投稿を見る)
補足・情報の声
- いがぱぱ(@zyankotodamaaa):「家から出て事務所に戻っても取れない臭い。マスクや身体に染み付いている」と、職員の労務環境への副次的影響を共有(📎 投稿を見る)
- キャリコ(@calico2025X):四肢麻痺の利用者への喫煙支援の手順を紹介し、訪看で実施せざるを得ないケア内容のリアルを提示(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省「訪問看護ステーションの開設者・管理者向け 安全管理体制の手引き」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001077070.pdf
- 日本訪問看護財団「訪問看護師の安全のためのガイドライン」 https://www.jvnf.or.jp/
ポイント
独居高齢者宅の居住環境は訪問看護師個人の安全管理・職員の労務環境・包括支援センターとの連携課題が交差する領域で、ステーション側のリスクマネジメント体制整備が経営課題として浮上しているとの指摘があります。
トピック5:医師x僧侶x経営者の中田氏「子供の看取り」発信が1.5万表示、終末期ケアの重みに反響
何が起きた?
6月22日午後、さくらライフグループ代表の中田賢一郎氏(@n_kata・医師x僧侶x経営者を名乗る)が、子供との別れをめぐる投稿を公開しました。「何千人もの人を看取ってきたが、子供の看取りは数度しかない。耐えられないからだ」と率直に語り、「親より先に逝く子供を見送る親の気持ちは表現できない」と結んでいます。在宅医療・小児在宅ケアの分野では、医療的ケア児・重症心身障害児の在宅看取りに対する連携体制(小児在宅医・訪問看護師・レスパイト施設・グリーフケア)の整備が長年の課題とされており、この投稿は当事者・支援者の双方に深い共鳴を呼びました。
注目の投稿
中田賢一郎/さくらライフグループ代表(@n_kata)|在宅医
この投稿は約1.5万回表示され、約4件のリポストと62件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
- Dr.けいぼー(@keibo_keibo):子供の看取りは「出来ることならしたくはない」のが本音だとしつつ、家で家族と過ごせず病院で亡くなる子や家族の気持ちを思うと「誰かがやらなくては」と、小児在宅医療の担い手としての覚悟を共有(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20366.html
- 国立成育医療研究センター「小児在宅医療」 https://www.ncchd.go.jp/
ポイント
小児在宅看取りは担い手・連携体制・グリーフケアいずれも整備途上の領域であり、訪問看護ステーション側の人材確保や多職種連携の制度設計が今後の焦点になるとの指摘があります。
今日のまとめ
- フランス「引き算の医療・介護」の看取り論が256いいねを集め、終末期ケアのリソース設計に議論
- 施設看取りの説明プロセス・嫁母の在宅訪問看護導入決断にも100件超のいいねが寄せられ、在宅と施設の終末期ケアの両面に共感が広がる
- 訪問看護の現場リアルと小児在宅看取りの重みを語る発信に、看護師・在宅医・家族の幅広い層が反応
6月22日のXは、訪問看護・在宅医療の「看取り」をめぐる多角的な発信が並ぶ一日となりました。ステーション経営層・ケアマネ・在宅医においては、終末期ケアの「引き算」設計、施設看取りの説明体制、家族介護の使命感を支える連携、訪問看護師の安全管理、小児在宅看取りの担い手確保といった論点を、自ステーション・地域包括ケアシステムのなかで再点検する契機としていただければと考えます。
関連する質問(よくある疑問)
Q1. 訪問看護ステーションが在宅看取りに対応する際の主な制度的支援は何ですか?
A1. 訪問看護療養費においては「訪問看護ターミナルケア療養費」が算定可能とされており、死亡日および死亡日前14日以内に2回以上の訪問看護を行った場合に算定の対象になるとの整理が示されています。詳細な算定要件や運用は厚生労働省告示・保険局通知をご確認ください。
Q2. 施設での看取り介護を支える主な加算にはどのようなものがありますか?
A2. 特定施設入居者生活介護・介護老人福祉施設等では「看取り介護加算」が設けられており、医師・看護職員・介護職員・ケアマネ等が連携して看取り介護に関する計画を作成・実施することが要件とされているとの指摘があります。最新の単位数・要件は厚生労働省の介護報酬告示および留意事項通知をご確認ください。
Q3. 在宅看取りを希望する家族・本人への意思決定支援はどのように進めるとされていますか?
A3. 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」では、本人と医療・ケアチームの十分な話し合いを通じて意思決定を支援するACP(アドバンス・ケア・プランニング)の枠組みが示されているとされています。詳細は厚生労働省公式サイト/各都道府県の在宅医療連携拠点・地域包括支援センターの担当窓口をご確認ください。
※本記事は制度・経営の観点からの情報提供です。医療判断や具体的な治療・ケア方針については、必ず主治医・担当看護師にご相談ください。

