8月17日朝のX(旧Twitter)には、在宅医療・訪問看護に関わる投稿が4件あり、それぞれ異なる角度からの話題を伝えていました。医療と障害年金に詳しい社会保険労務士は、在宅医療で医療の目標が「治す」から「支える」に変わる場面をコラムで解説し、自身もがん治療を受けながら訪問看護に従事する看護師は、お盆明けの勤務実態を明かしました。精神科の訪問看護とヘルパーを同じ日に利用する暮らしや、後輩育成を指導する側の学び直しと捉える視点も見られました。本記事では、これらを在宅ケアの制度・人材・連携という観点から4つのトピックに整理してお伝えします。
本日のハイライト
- 医療と障害年金に詳しい社会保険労務士が「治す」から「支える」への転換を説くコラム連載第2弾を発信し、65件のいいねが集まった
- 自身もがん治療を受けながら訪問でがん患者を看護する看護師の投稿が89件のいいねを集め、5連勤という勤務実態が浮かんだ
- 精神科の訪問看護とヘルパーを同じ日に利用する暮らしを伝えた投稿に290件のいいねが寄せられ、在宅ケアの多職種連携が話題になった
在宅医療は「治す」から「支える」へ、社労士コラム第2弾
何が起きた?
8月17日朝、医療と障害年金に詳しい社会保険労務士が、「医療の限界」にどう向き合うかを考える連載コラムの第2弾をXで更新しました。投稿では、「治らない」と告げられた際の受け止め方をテーマに、治療からリハビリ、緩和ケア、在宅医療へと進む過程で、医療の目標が「治す」から「支える」に変わることもあると述べています。あわせて患者と家族のこれからの生活や利用できる制度にも触れ、自身の事務所で医療コーディネーターとして医療と生活の橋渡しを行っていることを紹介しました。次回の第3弾では延命治療・QOL(生活の質)をテーマにする予告も添えられています。
注目の投稿
吉澤健一(@yoshizawa_sr)|社会保険労務士
この投稿は439回表示され、65件のいいねを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– NOTTI(ノッチ)@NCH設立を目指す社長(仮)(@masaantler12):医療の限界が出てくることも多いとしたうえで、自分が選択できる選択肢を把握していきたいとの考えを寄せました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省 中央社会保険医療協議会資料「令和8年度診療報酬改定 8. 質の高い在宅医療の推進」(mhlw.go.jp)では、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算が見直されて在宅医療充実体制加算に改称され、ターミナルケア加算が1,000点から2,000点に引き上げられるなど、緩和ケア・看取りへの評価が充実したことが示されています。施設基準には、緩和ケア研修を修了した常勤医師の配置や、過去1年間の看取り実績等が盛り込まれています。
- 同資料では、末期の悪性腫瘍に加えて末期呼吸器疾患・末期腎不全の患者も緩和ケアに係る評価の対象に加えられたことが示されており、在宅における「支える」医療の対象が広がっている様子がうかがえます。
- 弊所が医療コーディネーターとして担う業務内容や実績に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
「治す」から「支える」への転換は投稿者個人の見解にとどまらず、令和8年度診療報酬改定でも緩和ケア・看取りに関する評価が広がっており、在宅医療を選ぶ患者・家族にとって、治療方針だけでなく利用できる制度を早い段階で知っておくことが実務的な備えになりそうです。
訪問看護師の5連勤、がん看護師が伝えた勤務の実態
何が起きた?
8月17日朝、自身もがん治療を受けながら訪問看護に従事している看護師が、お盆休暇明けの1週間の始まりについてXに投稿しました。投稿では、7連勤の後に日曜日を挟んで5連勤に入ることに触れつつ、10月まで自身の検査予定が無いことを「救い」とし、この日も訪問で先輩のがん患者を看護すると述べています。訪問看護ステーションで就業する看護職員は増加傾向にあるものの、看護職全体に占める割合は依然として小さく、連休明けの勤務調整は現場の裁量に委ねられている実情がうかがえます。
注目の投稿
くるみ(@NurseFightsBack)|看護師
この投稿は1,089回表示され、89件のいいねと1件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– Jiji(@Jijiqqkk):投稿の結びの言葉に、元気をもらったとの感想を寄せました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 厚生労働省医政局看護課「看護職員の需給推計について」(mhlw.go.jp・令和8年4月10日 第1回2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会資料5)によると、訪問看護ステーションで就業する看護職員(実人数)は2002年の2.4万人から2023年には8.7万人へと増加していますが、病院・診療所と比べれば依然として少数にとどまっています。
- 公益財団法人日本訪問看護財団「訪問看護の現状とこれから2025年版」(jvnf.or.jp)では、厚生労働省の試算として、超過勤務月10時間以内・有給休暇年5日以上を前提とした場合、2025年までに訪問看護に従事する看護職員が12万人必要になるとされ、有給休暇20日以上とするワークライフバランス重視のシナリオでは13万人が必要になるとしています。日本看護協会・全国訪問看護事業協会・同財団による「訪問看護アクションプラン2025」では、訪問看護師の安定的な確保の目標として15万人という数字も掲げられています。
- 投稿者個人の勤務先や治療状況に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
訪問看護に従事する看護職員は増加傾向にあるものの、国が試算する必要数にはなお開きがあり、連休明けの勤務調整が個々の看護師の裁量に委ねられがちな実情は、人材の安定確保という制度的な課題の裏返しともいえそうです。
精神科訪問看護とヘルパー、1日2つの在宅サービス
何が起きた?
8月17日朝、向精神薬を服用しながら生活している投稿者が、その日にヘルパーと訪問看護の両方を利用する予定であることをXに投稿しました。前夜に複数の薬を服用しても中途覚醒があったことに触れつつ、当日は「忙しい1日」になりそうだと伝えています。精神科の訪問看護は、精神疾患を有する者への看護について相当の経験を持つ保健師・看護師・作業療法士等が、主治医の精神科訪問看護指示書に基づいて行うものと位置づけられており、家事援助等を担うヘルパーとは制度上の役割が分かれます。同じ日に複数の在宅サービスを利用する場面は、地域で暮らしを支える多職種連携の一端を示しています。
注目の投稿
ℝ𝕀ℕ𝔾𝕆姫(@CommeSiCommeCa3)|訪問看護の利用者
この投稿は1,825回表示され、290件のいいねと2件のリポストを集めました。公開時点で寄せられたリプライは日常のあいさつが中心で、投稿内容そのものへの反応は確認できていません。
出典・一次情報
- 厚生労働省近畿厚生局「訪問看護療養費の取扱いの理解のために」(kouseikyoku.mhlw.go.jp・令和3年度)では、精神科訪問看護基本療養費は、精神科を標榜する保険医療機関の医師から交付された精神科訪問看護指示書に基づき、精神疾患を有する者への看護について相当の経験を有する保健師・看護師・准看護師又は作業療法士が行う場合に算定するとされています。24時間対応体制加算や精神科複数回訪問加算、精神科重症患者支援管理連携加算など、精神科訪問看護に関する複数の加算は、地方厚生(支)局長への届出が必要とされています。
- 厚生労働省「『精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会』報告書(概要)」(mhlw.go.jp・令和3年3月18日)では、同システムの在宅系サービスとして、介護保険の訪問介護・訪問看護と、障害福祉サービスの居宅介護が並列で位置づけられており、訪問看護を含む複数の職種が連携して地域生活を支える体制の構築が課題とされています。
- 投稿者本人が利用しているヘルパーサービスの制度区分に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
ヘルパーと訪問看護を同じ日に組み合わせて利用する暮らし方は、地域包括ケアシステムが目指す多職種連携の実例といえ、事業所側にとっても、他サービスとの予定調整をどう円滑にするかが日々の運営課題になっていそうです。
後輩指導は学び直し、多摩の訪問看護ステーションの視点
何が起きた?
8月17日朝、多摩市の訪問看護ステーションの公式アカウントが、後輩への指導を通じて指導する側も学び直しているという気づきをXに投稿しました。投稿では、後輩に助言する場面は実は教える当人が自らの理解を整理し直す作業でもあるとし、育成とは相手を育てる以前に自身の成長を引き受けることだと述べています。訪問看護は人材確保が難しい分野とされ、新人・後輩をどう育てるかは各ステーションの裁量に委ねられている部分が大きく、OJT(現場での実地研修)の設計はステーション運営の実務課題の一つです。
注目の投稿
多摩市訪問看護は~とふる多摩センター(@heartfultama)|訪問看護ステーション
この投稿は372回表示され、50件のいいねと1件のリポストを集めました。
Xでの反応
賛成・共感の声
– 村松静子(@3sekko):🤝の絵文字とともに引用リポストし、賛意を示しました(📎 投稿を見る)
出典・一次情報
- 公益社団法人日本看護協会「訪問看護」ページ(nurse.or.jp)では、訪問看護師の確保に向けた取り組みの一つとして、病院看護師の在宅療養支援能力の向上と地域における訪問看護の担い手育成を目的とした「訪問看護出向事業ガイドライン」等を整備していることが紹介されています。同ページでは、国の試算による2025年の訪問看護従事者数が約12万人と推計される一方、2018年時点の従事者数は約5万人にとどまり、少なくとも倍増以上の人材確保が必要とされていることも示されています。
- 公益財団法人日本訪問看護財団「訪問看護の現状とこれから2025年版」(jvnf.or.jp)が示す訪問看護師の生涯研修体系では、就業後6か月未満の新人からステーション管理者まで、OJT(現場での実地研修)とOff-JT(現場を離れた研修)を組み合わせたラダー(習熟段階)別の研修が提案されています。
- 当該ステーション内部の育成体制・OJTの具体的な運用に対応する公表資料は確認できておらず、記載は投稿の範囲にとどめています。
ポイント
訪問看護師の確保目標には依然として開きがあるとされる中、後輩育成を「指導する側の学び直し」と捉える視点は、限られた人員でOJTを機能させるための一つの工夫といえ、指導役の負担をどう組織的に支えるかも今後の運営課題になりそうです。
今日のまとめ
- 医療の目標が「治す」から「支える」へ変わる場面は、令和8年度診療報酬改定でも緩和ケア・看取りの評価拡充として制度に反映されており、社労士コラムの指摘は個人の見解にとどまりません。
- 訪問看護に従事する看護職員は2023年時点で8.7万人まで増えたものの、国が試算する必要数にはなお開きがあり、5連勤のような勤務実態は人材確保の課題と地続きです。
- 精神科の訪問看護とヘルパーを組み合わせて利用する暮らしや、後輩育成を指導する側の学び直しと捉える視点は、限られた人材で在宅ケアを支える工夫の一端といえます。
在宅医療・訪問看護に関わる方は、今回取り上げた診療報酬上の評価や人材確保の数値を、日々の運営やキャリア設計を見直す材料にしてみてはいかがでしょうか。
関連する質問(よくある疑問)
Q1. 在宅医療で医療の目標が「治す」から「支える」に変わるとは、具体的にどのような制度を指しますか?
A1. 令和8年度診療報酬改定では、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算が見直されて在宅医療充実体制加算に改称され、ターミナルケア加算も引き上げられたとされています。対象患者には末期呼吸器疾患や末期腎不全も加わったとされ、在宅での緩和ケア・看取りへの評価が広がっているとされています。
Q2. 精神科訪問看護は、どのような人が利用でき、ヘルパーなど他のサービスとはどう役割分担されますか?
A2. 精神科訪問看護は、精神科の医師による指示書に基づき、相当の経験を持つ保健師・看護師・作業療法士等が心身の看護にあたるものとされています。家事援助等を担うヘルパーとは役割が分かれるとされ、地域包括ケアシステムでは両者を含む多職種の連携体制づくりが課題とされています。
Q3. 訪問看護師の人材不足はどれくらい深刻で、新人・後輩の育成はどう行われていますか?
A3. 厚生労働省の試算では、2025年までに訪問看護に従事する看護職員が最大13万人程度必要とされる一方、2023年の実人数は8.7万人にとどまるとされています。育成面では、習熟段階に応じてOJTと研修を組み合わせる体系づくりが有効とされています。詳細は厚生労働省医政局公式サイト・各都道府県の担当窓口をご確認ください。
※本記事は制度・経営の観点からの情報提供です。医療判断や具体的な治療・ケア方針については、必ず主治医・担当看護師にご相談ください。

