8月19日から21日にかけて、災害に関する国の事務連絡が各県の事業者向けページに続けて掲載されました。7月の大雨と熊本地震、それぞれについて介護報酬や利用料の扱いが整理されています。補助金の受付開始や様式の修正も同じ時期に動きました。のどか会計事務所が5自治体分をお届けします。
今回のハイライト
7月17日から18日にかけての大雨について、8月20日付で介護報酬等の柔軟な取扱いを示す事務連絡が出され、翌21日に県の事業者向けページへ載りました。熊本地震では、利用料の還付手続きを扱うQ&Aと、福祉避難所として開設された施設の使用料の扱いが8月18日付で示されています。補助金は青森県が2本の交付申請を相次いで開始し、北海道は提出様式を8月20日に再修正しました。
山口県|大雨と地震、4本の国通知が並んで掲載
介護保険情報の総合ガイドに、8月20日と21日付で災害関係の国通知が相次いで4本掲載されました。
1本目は、7月17日から18日にかけての大雨に伴う災害に係る介護報酬等の柔軟な取扱い(基準緩和等)です。添付された事務連絡は令和8年8月20日付で、厚生労働省老健局の高齢者支援課、認知症施策・地域介護推進課、老人保健課の連名により、都道府県・市町村の各介護保険担当主管部(局)あてに発出されています。冒頭には、示された取扱いはあくまで例示であって、ほかの柔軟な対応を妨げるものではない旨の但し書きが置かれています。
内容は、避難先市町村による要介護認定事務の代行、避難所や避難先の家庭で居宅サービスを提供した場合の算定、居室以外の場所で処遇を行った場合の算定、人員基準欠如減算・定員超過利用減算の不適用、変更届を10日以内に出せなかった場合の猶予、月額包括報酬サービスの日割り計算、ADL維持等加算の利得計算の除外、処遇改善加算の賃金改善期間と実績報告書の期限延長など、多岐にわたります。
サービス類型別では、居宅介護支援の記載が実務上の目安になります。職員の確保が困難になった等の事情でやむを得ず一時的に45件以上を担当する場合、45件以上の部分について居宅介護支援費を減額しない扱いが可能とされ、居宅介護支援費(Ⅱ)を算定する場合は「45件」を「50件」と読み替えると明記されています。短期入所生活介護では、長期利用者に対する減算に加えて、実質連続60日(介護予防は30日)を超える利用者に係る長期利用の適正化についても適用しない扱いが示されました。療養通所介護は、入浴介助を行わない場合の減算を適用しない扱いが可能です。
被災地の外にある事業所にも関係する記述があります。被災地へ職員を派遣したことで自所の人員が一時的に不足した場合や、被災地域からの避難者を受け入れて利用者数が増えた場合も、同様に柔軟な取扱いの対象とされています。
2本目は、同じ大雨で被災した要介護高齢者等への対応と、被災者に係る被保険者証の提示等を扱う2本のPDFです。3本目は、熊本地震を受けて福祉避難所として開設された介護保険施設等の使用料等の取扱いに関するQ&Aで、こちらは8月20日の掲載です。
4本目は、熊本地震による災害に係る介護報酬等の請求等の取扱いのページで、8月21日に「7月サービス提供分(その2)」が追加されました。7月30日の発出、7月31日の追加に続く3度目の掲示で、7月サービス分の請求実務に関する追加分となります。
福島県|熊本地震の利用料還付、Q&Aと申請様式が示される
高齢福祉課(介護保険担当)のページが8月19日付で更新され、令和8年8月18日付の国通知2本と様式1本が掲載されました。厚生労働省老健局の介護保険計画課と高齢者支援課の連名によるもので、宛先は熊本県ですが、福島県が管内向けに掲載する形で共有されています。
1本目は、被災者に係る介護サービスの利用料の取扱いに関するQ&Aと、市町村が利用料減免を行う際の取扱要綱のイメージです。猶予・免除の対象となるのは、災害救助法が適用された日以降に受けたサービスに係る利用料で、通知の時点で適用されている10市10町1村については令和8年7月28日とされています。国が例として示した取扱要綱では、減免の対象期間を令和8年7月28日から令和8年11月30日までとしています。
事業所の請求実務に直結するのが、7月分のレセプトの扱いです。ひと月分のレセプトには1つの給付率しか記載できないため、7月サービス分は全体の給付率が100%と記載されて国保連合会へ請求されること、災害救助法の適用日の前後でレセプトを分ける必要はないことが示されました。すでに利用料を受け取っている場合の還付については、保険者の判断により、事業所を経由して過誤申立と再請求を行い、事業所から被保険者へ還付額を支払う方法も想定されています。
対象サービスの範囲にも補足があります。8月7日付の連名事務連絡で列挙されていないサービスであっても猶予の対象から除く趣旨ではないとされ、通所リハビリテーション、認知症対応型通所介護、看護小規模多機能型居宅介護、夜間対応型訪問介護などが例に挙げられています。居宅介護住宅改修費・介護予防住宅改修費についても保険者の判断で自己負担額を猶予・免除でき、その際の支給申請では領収書の添付を不要としてよいとされました。
同じページには、利用料還付申請書のWord様式と、福祉避難所として開設された介護保険施設等の使用料等の取扱いQ&Aも掲載されています。
出典:福島県 令和8年熊本地震に伴う災害の被害に関する通知(8月18日)
青森県|補助金2本が2日続けて受付開始
介護事業者向け補助金情報のページが8月21日付で更新され、新着欄にスポットワーク活用支援事業費補助金(8月21日)、介護事業所内保育施設運営事業費補助金(8月20日)の交付申請受付開始が並びました。同ページには補助事業一覧が置かれ、事業ごとに受付中・受付終了・準備中が示されています。
スポットワーク活用支援事業費補助金は、これまでスポットワークを使っていなかった業務について、補助対象期間中にサービスを利用して短期雇用が成立した場合に、その対価として支払った人材紹介手数料が補助対象経費です。消費税・地方消費税・振込手数料は対象外とされています。補助基準額は1法人当たり20万円、補助率は2分の1です。交付申請書の提出期限は令和8年12月28日(月)ですが、予算上限に達し次第、受付を締め切る旨が付されています。交付申請書の提出は原則として県の電子申請・届出システムからで、郵送・メール・持参は受け付けないとされています。実績報告書の提出期限は令和9年2月12日(金)で、こちらの申請フォームのURLは作成後に掲載されるとされています。実績報告についても原則は電子申請ですが、特別な事情で利用できない場合は県に知らせるよう案内されています。掲載中のQ&Aは、リンク表記に「R80821更新」と示されています。対象は介護保険施設、指定居宅サービス、指定地域密着型サービス、居宅介護支援の各事業所です。
介護事業所内保育施設運営事業費補助金は、令和8年度の交付要綱が8月20日に掲載されました。昨年度までの要望調査で希望を出した事業所が、掲載された要綱に従って手続きを進める形です。補助対象経費は事業の実施に必要な給与費と委託費で、補助率は実支出額と補助基準額を比べて少ない方の3分の2とされています。申請書類の提出期限は令和8年9月9日水曜です。
出典:青森県 介護事業者向け補助金情報/青森県介護事業所スポットワーク活用支援事業費補助金について/介護事業所内保育施設運営事業について
北海道|介護テクノロジー補助金、計画書が8月20日に再修正
介護テクノロジー導入支援事業費補助金のページで、事前協議の提出書類のうち導入計画書(別紙)が差し替えられました。ページには、経費計算書の数式誤りを8月20日に修正した旨が記載されています。前回この欄でお伝えした時点の版からさらに入れ替わっており、短い間隔で修正が続いています。申請前に最新版を取り直す運用にしておくのが安全です。あわせて掲載されているFAQは、8月17日版のままです。
期限は動いていません。事前登録は令和8年8月31日(月)、協議書類は令和8年9月17日(木)必着で、提出は電子データのみ、メールの件名も指定されています。交付要綱(案)と実施要綱(案)は調整中で内容に変更が生じる可能性がある旨、FAQは随時更新される旨も明記されています。3区分のうち申請できるのは1区分のみです。補助要件は事業完了日である令和9年2月26日までに満たせばよく、厚生労働省または北海道が実施するセミナー等の受講・道の相談センターの活用・コンサルティング会社等による業務改善支援のいずれかに加えて、SECURITY ACTIONの宣言、LIFEへの協力、施設系・居住系は年度内の委員会設置、在宅系・通所系・訪問系はケアプランデータ連携システムの利用開始が挙げられています。
宮崎県|サービス継続支援補助金、変更申請と実績報告の段階へ
サービス継続支援事業費補助金のページが8月21日付で更新されました。ページ上部の更新内容として、よくあるお問合せの追記、変更申請用と実績報告用のURLの掲載、交付決定内容を踏まえた変更申請用・実績報告用データの修正の3点が示されています。募集はすでに終了し、交付決定通知も発送済みです。
金額面で注意が要るのは調整率です。申請のあった補助金所要額の総額が予算額を上回ったため、調整率を乗じて交付決定した旨が示され、別表1が77.4%(22.6%の減)、別表2が86.1%(13.9%の減)と明記されました。当初の申請額どおりではないため、実績報告に向けた執行計画を交付決定額に合わせて見直す必要があります。
補助対象経費の期間は、当初の令和8年10月30日までから令和8年11月30日までに見直されています。実績報告の期限は、事業完了日から起算して30日を経過した日か令和8年11月30日のいずれか早い日です。提出はいずれも県の電子申請システムからで、変更手続きの要否については県のQ&AのNo.11とNo.12を参照するよう案内されています。帳簿と証拠書類は、補助金の額の確定日が属する年度の終了後5年間の保管が条件に含まれています。
出典:宮崎県 介護事業所等及び介護施設等に対するサービス継続支援事業費補助金について
事業者への推奨アクション
- 被災地へ職員を派遣した、または被災地域からの避難者を受け入れている場合、人員基準欠如減算や定員超過利用減算の不適用が自社にも及ぶかを確認する
- 居宅介護支援を行う事業所は、担当件数の上限に関する読み替えの範囲を、居宅介護支援費(Ⅰ)か(Ⅱ)かに応じて整理しておく
- 熊本地震の被災地に利用者がいる場合、7月サービス分の請求と還付の流れを保険者に確認する
- 補助金は交付要綱・様式・FAQの版が短期間で入れ替わることがあるため、提出直前に最新版を取り直す
- 交付決定額が申請額から調整されている補助金は、実績報告前に執行計画を見直す
出典一覧
| 自治体 | カテゴリ | ページ |
|---|---|---|
| 山口県 | 介護 | 介護保険情報総合ガイド お知らせ一覧 |
| 福島県 | 介護 | 令和8年熊本地震に伴う災害の被害に関する通知(8月18日) |
| 青森県 | 介護 | 青森県介護事業者向け補助金情報 |
| 青森県 | 介護 | 青森県介護事業所スポットワーク活用支援事業費補助金について |
| 青森県 | 介護 | 介護事業所内保育施設運営事業について |
| 北海道 | 介護 | 介護テクノロジー導入支援事業費補助金について |
| 宮崎県 | 介護 | 介護事業所等及び介護施設等に対するサービス継続支援事業費補助金について |
※本記事は全国67自治体の事業者向けページから、のどか会計事務所がピックアップしてお届けする情報です。記事の正確性は各自治体公式ページを優先してご確認ください。

